<< あきらかに人災 | TOP | あれ? >>

なんだかもう・・・

2010.05.22 Saturday | DAYS

昔、こんな愚痴を書いたことがありました。
プロに物を頼むのなら、きちんと対価を用意するべき。
それが出来ないのなら、出来ないということをまず事前に知らせて、対価と同等の非物質的なもの(経験とか、人脈とか)が得られるか、等を判断できる情報を提供するべき、という内容を書いたつもりでした。

で、今回の口蹄疫事件でこんなニュースが。
口蹄疫拡大、獣医師不足が深刻…全国に派遣要請
 宮崎県で家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」が拡大の一途をたどる中、牛や豚を殺処分したり、診察したりする獣医師の不足が深刻化している。

 政府が新たに打ち出した総合対策で、20万頭以上の牛と豚へのワクチン接種が20日から始まる予定だったが、獣医師が集まらないため、この日のスタートを断念。牛などの大型の家畜を専門とする獣医師は多くないことから、農林水産省は畜産関係団体を通じて、ボランティアの獣医師を募り始めた。

 同省では口蹄疫発生当日の4月20日、都道府県を通じて、全国の家畜保健衛生所などに応援を要請。宮崎を除く46都道府県から2人ずつ派遣されているほか、国の動物検疫所の獣医師も含め、現在140人が宮崎入りし、殺処分にあたっている。単純計算すると、1人当たり約500頭を殺処分したことになり、「かなりハードな仕事ぶり」(同省幹部)だ。

 しかし、19日、発生地域から半径10キロ圏内の牛や豚約20万5000頭にワクチンを接種する政府の方針が決まり、人手不足に拍車がかかった。感染地域で殺処分にあたってきた獣医師は、未感染の農場にウイルスを広げてしまう可能性があるため、まだ感染していない牛や豚へのワクチン接種にはかかわれないという。

 このため、同省は、都道府県にさらに1人ずつの派遣を要請。国の機関や宮崎県内の獣医師と合わせて200人体制で臨むとしている。1人あたり1000頭に注射しなければならない計算だが、増員が完了する日取りも決まっていない。

 獣医師免許の保持者は全国で3万5000人いるが、そのうち、牛や豚など大型の動物を専門に扱う獣医師は4000人前後しかいない。獣医師でもある農水省の担当者は「家畜は大きさや種類によってかなり対処の仕方が違う。慣れない獣医師がすぐに注射できるかどうか。これ以上感染が拡大したらパンクする」と不安を漏らす。

 この獣医師は、「牛を殺処分する際には、数人がかりで押さえるが、短時間で首の静脈に薬液を注射しないと牛が暴れ出し、けられることもある」と、殺処分の大変さを指摘する。

 農水省は、「牛や豚を扱い慣れている獣医師なら、ぜひボランティアで宮崎に来て」と呼びかけている。

      ◇

 口蹄疫問題で政府が決定した総合対策を巡り、宮崎県内の関係9市町長は20日、東国原英夫知事と面会し、地元の声を政府に伝えるように申し入れた。

5月20日14時33分配信 読売新聞より転載


もう、呆れてものも言えない・・・。
なんなんだ、


「ぜひボランティアで宮崎に来て」


ってのは!!アホだろう!!ヾ(*`Д´*)ノ"

大型動物を扱うってのは大変なんだぞ。
下手したら蹴られて重傷、なんてこともあり得るんだから。
きちんとした技術を持ったプロなんだぞ。
それに、獣医さんにだって生活があるでしょ。
なんで持ち出しで、体を壊すのがわかりきっている仕事にボランティアに行かなきゃいけないわけ?
宮崎の現状が大変なのはわかるけど、それは一部の専門的技術、知識を持った人たちに過大な犠牲を押しつけて解決しなきゃいけないことなのか?



そこをきちんと保障、ケア、解決するのは政府の仕事でしょ。
体壊すほどまず、中央の政治家が仕事しろよ。




解決するために専門獣医が必要なら、きちんとその人たちが生活できるような条件を提示して、募集するべき。
「ボランティアで」っていうなんて、間違ってる。厚顔無恥としかいいようがない。
自分に都合のいいだけのボランティアを求めるのは、たかりと一緒!

だいたいさ、大型患畜を扱える獣医ってのは、普段から酪農家の専門をしてるってことでしょ。
義憤で宮崎に行き、ボランティアでボロボロになるまでがんばって、地元に帰ってそこで口蹄疫が発症・・・なんてなったら、目も当てられない。
ウイルスなんだから、そういうことだって十分考えれるわけで、しかもそれは本人がいくら気をつけてもどうにもならないこと。
でも日本人ってのは、「ウイルスだからどうしようもない」って考え方、出来ない人種だもん。
去年の新型インフル騒動を思い出してもわかるでしょ。
リスクだらけなのに、ボランティア?
いくらなんでもそれは、義憤や公共心だけではどうにもならない事なんじゃないか??

猫達と暮らし始めてから、保護猫活動の実態を知って、自分でも何かしてあげたい・・・と思いながらも、預かりや保護活動への参加は自分の猫達への影響を考えると出来ない。
ましてや仕事に影響が出るような事は、自分の口が干上がるから無理。
スケールは小さいけど、今回の「ボランティア要請」を受けた獣医さんは、私と同じような気持ちを感じているんじゃないかなぁ、と思うんです。

被害農家への補償はもちろん必要。
でも、農家の人たちはお金より、迅速な対応による牛や豚達の保護を望んでいたはず。
そして、経済的、心理的リスクから参加したくても参加できない獣医さんの中は、政府が経済保証さえしてくれれば、と思っている人もいるはず。
税金を使うなとはいわない。ただ、



せめて効果的な使い方をして欲しいと、切に望みます。



「口蹄疫がちょっとくらい広がろうと、金出しゃ文句ないだろ」
今の政府・首相・大臣からは、そんな心根が透けて見えるようで、腹が立つのよ。
だから、バラまきみたいな事しか出来ないんだと思うの。
それは、税金の無駄使い以外なにものでもない事に、そろそろ気がついてほしいと思うのは、甘いのかな。

東知事のツイッター読んでると、涙出てくるよ。
望みを託した種牛も感染していたそうです。
comments (0) | trackbacks (0) | admin

Comment

>> コメントのスクロール表示・非表示を切り替えます

コメントはありません。

Comment Form








  • 記事内容と関係のないコメントは削除させて頂きます。


ご利用のブラウザ、設定ではご利用になれません。

  コメントをプレビューする?

Trackback

Trackback URL :

  • 当方の記事への言及リンクをお願いします。言及リンクのないものは削除させて頂きます。