2007/06/21

獣医に相談できるSNS、だいじょうぶ?マイペットというサイトを発見。
ネットで病気を相談できるサイトは今までもたくさんあったけど、どれも「直接見ないと分からない」ってのがほとんどでまともに機能していないので、このサイトもどーかなーって感じではありますが。(^^;;
入った人、感想教えて。(他人任せ)

で、このサイトのペット医療最前線にこんな記事発見。
 → Vol.8 倫理委員会を設置し民間初の腎臓移植に挑む

ほえ〜。
とうとう獣医療も、移植の段階に来たのかぁ。

ただねぇ。どうなんだろう?今の日本で移植してまでも治療するってのは。
記事はまぁ、全てが書かれているわけではないし、まだ実験段階なので倫理的にもルール的にもまとまっていないから疑問点はいっぱいあるんだけどさ。
やっぱり気になるのは「ドナーはどうすんのよ?」って事だよね。

記事の中には、

きちんとドナー用に育てられた動物で、術後はその飼い主の方が飼うことになる。あるいは飼い主さんが飼っている同居動物を使うか、その二つ以外はやらないのが決まりです。

とある。
って言う事は、たぶん真っ先にあげられるのは元野良、つまり保護猫でしょ?
その子らをドナー猫としてまぁ、飼育機関なり何なりを作って飼育して、必要な時にドナーとして使うわけだよね。
腎臓は二つあるから、人間の生体腎移植と同じで、片方はドナー猫に残して、片方を移植するわけだ。
・・・で?
飼い主は、二匹の腎臓に損傷を負った猫の面倒を以後見ていかなきゃいけないわけ?
それはあまりにも、現実に即してないでしょう・・・。
理想論ではあるけれど。

生体移植をするために大枚はたく程可愛がってる猫と、その猫に腎臓をくれたドナー猫。
猫飼いとしては、飼い主さんがドナー猫に感謝の気持ちを持って、以後二匹は幸せに暮らしました・・・って、話を期待したいのはやまやまだけど、はっきりいってそこまで出来る人間がどれだけいるか。
ドナー猫引き取りました、でも、移植した猫の世話に手一杯で、ドナー猫はほっぽりぱなしで、気が付いたら死んでました、なんて事は、容易に考えられると思ってしまうのは、あまりに悲観的すぎかしら?

確かに人間の腎移植の場合、五年後および十年後生存率はものすごく高いんだよね。
心臓移植の十年後生存率が五割を切るのに対して(アメリカのデータ)、腎臓移植は十年後生存率は90%近いデータが出ているし。(日本のデータ)
ただ、腎臓移植の生存率が高いのは、生体移植なため親族間で行われることが多く、HLAの差異が少ないから、って話もあります。

猫の場合、このHLAのチェックってのは出来るんでしょうかね?
チェックをしなくても大丈夫ってことはないと思うのよね。
っていう事は、例えば同居猫がいてその子の腎臓を、と思っても、HLAが会わなければ移植は出来ないわけで。
そしたら結局ドナー猫が必要となるわけでしょ。
多頭飼いで、さらに腎臓を一つ取ったドナー猫を引き取ることが可能な人間がどれだけいるのか。

そして、その後の猫は結局人間と同じで、免疫抑制剤を飲み続けなくちゃいけない。
人間、人生80年として、10年は1/8。
猫の人生を長く見積もって15年として、その1/8は2年?
臓器移植をした人間が亡くなる、もっとも多い原因は、免疫抑制剤によるウイルス感染。
人間よりも、免疫力の影響を受けやすい猫に、免疫抑制剤を常用させて、果たしてどれだけ生きられるのか・・・。

なんていうのかなぁ。
「これで、腎臓に問題を持つ子に新しい希望の光が!」っていうよりも、「また人間の都合で不自然な治療を・・・」って思ってしまう気持ちの方が、私は強いんですが・・・。
現在、実験として使われているドナー猫がいるって事実にも心が痛みます。
(ま、薬や化粧品の実験で使われている子らもいるわけだから、医療実験動物だけがどうこうというわけではないけれど)

人間の手段をペットに有効活用っていうのは、確かにわかるし、それで助かる子も出てくるとは思うんだけど、それも限度があるんじゃないかなぁ?
移植ってのは、度を越してる気がするんだよね。
下手したら動物愛護団体が大騒ぎすると思うぞ〜。(^^;;

そっち方面に行くよりもさ。
猫がそもそも病気にならない(ってのは無理だとして、なりにくいくらいで〜)フードの開発とかさ。
ペット業者への法整備とかさ。
そっち方面整えてくれた方が、飼い主としてはうれしいんだけどな〜。
腎臓関係の病気なんて、フードの影響でかいと思うんだけど。

ま、獣医さんに言うことじゃないか。(笑)
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COMMENTS

ちこねぇ | 2007/06/22 12:52 AM
だいじょうぶ?マイペットは、実はウチのかかりつけ獣医も回答陣の1人に名前をつらねています。
が、やっぱりね〜。どうだかな〜?感は否めないです(笑)。
生活全般のアドバイス程度って感じが実際に機能している部分じゃないでしょうかね。結局、疾患をもってしまった動物の症状を説明するのは飼い主の主観がほとんどだし、やっぱり実際に診ないとわからないコトが多いんじゃないかなぁ。。。
ちこねぇ | 2007/06/22 01:14 AM
ん〜、迷ったけど書いちゃえ!(笑)
この腎臓移植の病院のHPにQ&Aのコーナーがあるのね。で、実は過去に質問を書き込みしたんだけど、回答に困ったのか、消されました!最初はシステムのエラーかと思ったんだけど、同じ質問を再度書き込んで、また消えて。。。3回目が消えた時、あ、消えたんじゃなくって消されたのね〜と思って、やめたんだけど。

猫の腎臓移植については、私も疑問がいっぱい。移植に成功したとして、その後どんな状態で何年生きられるのかってことを考えると、人間と同じ尺度でもろ手をあげて賛成って難しい。HIROYOさんが言うとおり、もっと予防の研究に力を入れて欲しいわ。

偏見かもしれないけど、研究のための研究というか、技術のための研究っていう感じがするなぁ。コレは。
こだま | 2007/06/22 09:05 AM
私も時々このサイト読んでるけど、あまり参考にはならないなぁという感じかな(^^;

腎移植は、「本猫がそこまでして生きたいと思っているのか」という基本的なことを忘れている気がするよね。

以前にアメリカでの猫の腎移植のことをTVで見たことがあるけど、ドナー猫はセンターに保護された猫だったの。
で、「ドナー猫にも生きるチャンスができるし」みたいなことを言ってたんだけど、確かにと思う反面やっぱりでも…という思いが強かった。
宗教観の違いなのか、メンタリティの違いなのか、こういう考えは日本人には受け入れがたい気がするわ。
HIROYO | 2007/06/22 10:21 AM
ちこねぇさん>
やっぱり、使えないか。(^^;;
他のサイトでも「こんなところに悠長に書き込んでる暇があったら、動物病院に連れて行けー!!」って叫びたくなるような、アイタタタな飼い主も多くて、これ系のサイトは一切みなくなっちゃったのよね。
得るものもないし。

生活全般のアドバイスにしたって、個別ケースでケアしないとダメって場合も多いし、それなら基本の本を一冊かって読んだほうがいいんじゃないの?って思っちゃいます。私。(^^;;
この手のサイトの意図がよくわからんのよなぁ。

質問書いて消されたのは、腎臓移植やってる病院のホームページなんだ?
そんな聞かれて困るような質問したの?(笑)
新しい医療をやっていこうという獣医が、Q&Aに書かれた質問を消してしまうって言う行動を取ってしまうのは問題だね。
自分自身で「自信ない」って言ってんのと同じじゃん。
こういう問題は当然、倫理面や動物愛護の面からの問題は出てくるんだから、本気でやるならどんな質問にも誠実に答える姿勢を見せるべき。
それが出来ないのなら、そもそもやるべきじゃないし、研究のための実験、技術のための実験といわれても仕方ないね。
それで少なからず命が失われていることをどう思ってるんだろう?

実際問題、現実に即していない、使えない研究に命を使うくらいなら、やらない方がマシだと思う。
HIROYO | 2007/06/22 10:33 AM
こだまさん>
あははは〜。やっぱり参考にはならないか。(^^;;
ああいうサイトはもうちょっとアプローチを変えてどうにかするべきだと思うんだけどね。
今じゃ、「獣医師が回答!」なんて、売りにもならないよ。
獣医師もピンキリだし〜。(苦笑)

> 腎移植は、「本猫がそこまでして生きたいと思っているのか」という基本的なことを忘れて
> いる気がするよね。
そうそう!
記事の中に、「動物には意思疎通ができないのに、意思を確認できない動物になぜ移植医療をするのだって話をされていたけど、それを言ったら普通の動物医療も一緒」って書いてあるんだけど、それは意味合いが全然違うだろう!と思ったんだけど。
人間だって、風邪でお薬飲む程度なら抵抗ないだろうけど、風邪でお腹切りましょうって言われたら「えっ?!」って思うじゃない。(笑)
それくらい齟齬があると思ったんだけど〜。

アメリカのその「センターの猫も、ドナー猫になることによって生きるチャンスが出来る」って考えもおかしいよね。
ドナー猫にならなくても生きるチャンスのある世の中にしないと。
それって、貧困国で臓器売買しなきゃいけていけないってのと、根本的に同じ考えでしょ。
なんで人間なら「非人道的、臓器売買禁止」となって、猫なら「生きるチャンス」になるのか。
それなら人間だって、「臓器売買することで生きるチャンスが出来る」という論理にならなきゃ、おかしいよね。
治療方法だけ人間と同等のものを取り入れて、倫理だけは動物は人間とは違うってのは、おかしいと思うんだけど。

果たしてこの医療が実際始動したとして、どれだけの飼い主が移植治療を望むのか。
クローン商売と同じ結果になったとしたら、その研究で死んでいった実験動物達は浮かばれないよね。
ちこねぇ | 2007/06/23 08:30 AM
>それなら基本の本を一冊かって読んだほうがいいんじゃないの?って思っちゃいます。

確かにそのとーりだね。
質問も回答も、大抵は本に書いてあるコトばかりで「へー、そうなんだー」って思ったことがない。(笑)
HIROYO | 2007/06/23 03:08 PM
ちこねぇさん>
そうそう、「へぇ、こんなのがあるのね」っていう質問に出会ったことがない。(笑)
で、「おっ?これはどうなんだ?」と思う質問には、獣医師が「実際見てみないとわかりませんので、お近くの獣医にかかってください」で終わってたりするのよ。
一般情報でもいいから、少しは書けや!と思う事もあったりして。(^^;;

保身、なのかなぁ?
まぁ、難しいところではあると思うんだけどね。

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