記事はまぁ、全てが書かれているわけではないし、まだ実験段階なので倫理的にもルール的にもまとまっていないから疑問点はいっぱいあるんだけどさ。
やっぱり気になるのは「ドナーはどうすんのよ?」って事だよね。
記事の中には、
きちんとドナー用に育てられた動物で、術後はその飼い主の方が飼うことになる。あるいは飼い主さんが飼っている同居動物を使うか、その二つ以外はやらないのが決まりです。
とある。
って言う事は、たぶん真っ先にあげられるのは元野良、つまり保護猫でしょ?
その子らをドナー猫としてまぁ、飼育機関なり何なりを作って飼育して、必要な時にドナーとして使うわけだよね。
腎臓は二つあるから、人間の生体腎移植と同じで、片方はドナー猫に残して、片方を移植するわけだ。
・・・で?
飼い主は、二匹の腎臓に損傷を負った猫の面倒を以後見ていかなきゃいけないわけ?
それはあまりにも、現実に即してないでしょう・・・。
理想論ではあるけれど。
生体移植をするために大枚はたく程可愛がってる猫と、その猫に腎臓をくれたドナー猫。
猫飼いとしては、飼い主さんがドナー猫に感謝の気持ちを持って、以後二匹は幸せに暮らしました・・・って、話を期待したいのはやまやまだけど、はっきりいってそこまで出来る人間がどれだけいるか。
ドナー猫引き取りました、でも、移植した猫の世話に手一杯で、ドナー猫はほっぽりぱなしで、気が付いたら死んでました、なんて事は、容易に考えられると思ってしまうのは、あまりに悲観的すぎかしら?
確かに人間の腎移植の場合、五年後および十年後生存率はものすごく高いんだよね。
心臓移植の十年後生存率が五割を切るのに対して(アメリカのデータ)、腎臓移植は十年後生存率は90%近いデータが出ているし。(日本のデータ)
ただ、腎臓移植の生存率が高いのは、生体移植なため親族間で行われることが多く、HLAの差異が少ないから、って話もあります。
猫の場合、このHLAのチェックってのは出来るんでしょうかね?
チェックをしなくても大丈夫ってことはないと思うのよね。
っていう事は、例えば同居猫がいてその子の腎臓を、と思っても、HLAが会わなければ移植は出来ないわけで。
そしたら結局ドナー猫が必要となるわけでしょ。
多頭飼いで、さらに腎臓を一つ取ったドナー猫を引き取ることが可能な人間がどれだけいるのか。
そして、その後の猫は結局人間と同じで、免疫抑制剤を飲み続けなくちゃいけない。
人間、人生80年として、10年は1/8。
猫の人生を長く見積もって15年として、その1/8は2年?
臓器移植をした人間が亡くなる、もっとも多い原因は、免疫抑制剤によるウイルス感染。
人間よりも、免疫力の影響を受けやすい猫に、免疫抑制剤を常用させて、果たしてどれだけ生きられるのか・・・。
なんていうのかなぁ。
「これで、腎臓に問題を持つ子に新しい希望の光が!」っていうよりも、「また人間の都合で不自然な治療を・・・」って思ってしまう気持ちの方が、私は強いんですが・・・。
現在、実験として使われているドナー猫がいるって事実にも心が痛みます。
(ま、薬や化粧品の実験で使われている子らもいるわけだから、医療実験動物だけがどうこうというわけではないけれど)
人間の手段をペットに有効活用っていうのは、確かにわかるし、それで助かる子も出てくるとは思うんだけど、それも限度があるんじゃないかなぁ?
移植ってのは、度を越してる気がするんだよね。
下手したら動物愛護団体が大騒ぎすると思うぞ〜。(^^;;
そっち方面に行くよりもさ。
猫がそもそも病気にならない(ってのは無理だとして、なりにくいくらいで〜)フードの開発とかさ。
ペット業者への法整備とかさ。
そっち方面整えてくれた方が、飼い主としてはうれしいんだけどな〜。
腎臓関係の病気なんて、フードの影響でかいと思うんだけど。
ま、獣医さんに言うことじゃないか。(笑)
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