2004/07/01

お友達のサイトで、ホリスティックなフードのネタがパブリッシュされてました。
掲示板にお返事書こうと思ったんだけど、あまりに長くなったので日記へ。(笑)

医療ってのは、大雑把に大別すると東洋医療と西洋医療があります。
「悪いものは外科手術で取り除いちゃえ!病気の原因は摂取しないようにして良くするのだ!」っていう、「原因物質排除主義」的な西洋医療に対して、東洋医療ってのは「原因は悪い部分にあるのではなくて、全体の流れがその悪い部分で滞ってしまっているからそこで発生しているように見えるだけ。バランスを整えてやればおのずと解決する」という考え。
そのため、即効性はあるけど切り刻む(もしくは薬でやっつける)ため体自身にリスクのある西洋医学と、遅効性なんだけど長い目で見ると安全で安定する東洋医学、と形式が変わってくるわけです。
ちなみに、ホメオパシーってのはどちらかというと東洋医療的な考え方をするようです。
どちらも病気を治癒させるという「結果」を導き出す事には変わりないのですが、根本的な考え方が真逆なので、同じ病気でも全く違う説明をされちゃうんですね。

例えば、うちだったら結石。
西洋医学では「マグネシウム過多により、尿中に流出したミネラル分が原因で結石になる」と言われ、東洋医学では「結石はマグネシウム過多ではなく、マグネシウムが足りないせいで体内摂取がうまくいかずに起こる」といわれるわけです。どっちやね〜〜ん!(^^;;
(注:これは昔の情報で、今は結石はマグネシウム過多ではなく尿PHが高騰するのが原因、という説が主流になってきているようです。でも治療をする段になると、なぜか尿PHを下げるためにマグネシウム減の療法食を処方されるのよね・・・。そして何故尿PHがあがるのかの詳しい説明は、あまりなされなかったりする)

でも、このホリスティックな考えに目からウロコだった私、早速某ホリスティックフードを試しました。
その結果、でっかい結晶を作って、その後しばらく通院治療をするハメになったのでした。(^^;;
獣医了承の元でやってたので、ひどくならないうちにすぐ対応出来たんですけど、かなり諸刃の剣だなぁ、とは思いましたね。
(ちなみに、かかりつけの先生にパンフ見せて、これやりたい。って言いました。当時のかかりつけは「ある程度病気の内容がわかってきたオーナーさんに関しては、治療方法は任せる」という、結構柔らか頭な人だったので、出来たことかもしれません。たぶん普通の獣医さんなら「やめてください」って言うと思う。自分達のやってる治療と間逆のことだもん。(笑))

正直、わかりづらいんですよね〜。ホリスティックって。
日本では、まだきちんと内容が確定されていないという印象があります。
漢方もハーブもレメディも、みんな「ホリスティック」。
今私がやってる手作り食も「食事療法」という考え方をすれば「ホリスティック」でしょうし。
定義があいまいで、幅が広い。
そして、これらは結果が出るまで時間がかかるのと、体質改善の初期に起こる排毒症状が個体によっては病気以上にひどくなったりするのとで、途中で挫折する人も多いようです。
私だって、手作り食を始めて結石がひどくなってたら、速攻止めて療法食に戻してたと思うし。

漢方なんかが一番顕著だと思うのですが、ホリスティックの場合、処方を始めてしばらくすると、それまで貯まっていた毒素(これが病気の原因とされている)を体の外に排出する「排毒」という現象が起こるとされています。
人間でも同じですね。特にアトピー性皮膚炎。
ステロイドなんかを使っていると、一時期は良くなるんだけど体には良くない。
それで、ステロイドを止めて漢方やなんかに切り替えると、リバウンドで症状がもっとひどくなる。でも、そのリバウンドの時期を乗り越えると、毒が抜けきって、改善されるわけですね。

ところが、人間の場合なら病院にかかったり漢方医などに相談したりして、そのひどくなった症状が、「排毒による症状」なのか「本当に悪くなっているのか」を判断して、西洋医学と東洋医学を切り替えるという事も出来るけど、猫の場合、猫自身が症状を伝える事が出来ないから、なかなかそういう事は難しい。おまけに、ホリスティックケアをしている獣医、もしくはそれを認めている獣医ははっきり言って皆無に近いでしょう。
健康な猫ちゃんで、特におそれる排毒の症状が考えられないのなら、良いかもしれませんが、病気持ちの子の場合は、どうやってそれを判断するか?が最大のリスクとなります。

「内容成分がきちんと確認できない限り、プレミアムフードだろうが安いフードだろうが、結局同じ」という説の方もいます。
正肉使ってます!!なんていったって、本当にヤヴァイ物が入ってないかどうかなんて、私達には確認するすべはありません。
だからといって、内容を確認して作れる手作り食が安全かといえば、そうでもない。人間基準の農薬や投薬をされた野菜や鳥をあげて、はたして猫は安全なのか?っちゅー話になります。
結局、市販食にしても、手作り食にしても、ホリスティックフードにしても、リスクの位置が違うだけで、本当に安全なフードなんてないのかもしれません。

うちの場合は、るっここずがきちんと食べてくれて、結石が再発しなくて、便の調子が良い食事が良い食事・・・という条件があり、それを実現出来たのが手作り食だった、と言う経緯があります。
市販のフードでこれらが実現できたら、それでも良かったわけです。
結局、オーナーが納得できるのが良い食事・・・になるんですかねぇ。

もっとペットフード業界がオープンになってくれればいいとも思うんですけどね。
手作り食が流行って、フードの売り上げが各社落ちれば、ちょっとは見直してくれるようになるでしょうか?
本当は、どのフードをあげても全部安全、になるのが、一番理想的なんだろうけどなぁ。
「全てがホリスティックなフード」になるのが、一番理想なんですけどね。
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