そしたら、なんて返事が返って来たと思います?
「メーカーにて再度、確認致しましたが、シトロネラとユーカリのハーブはネコちゃんにとって、有害な物質ではございませんので、どうぞご安心くださいませ」
だって。
おいおい!そりゃ違うって!!
しかもこう続きます。
「ハーブの葉を直接食べたりエッセンシャルオイルを直接肌につけたり飲むことは避けなくてはいけない決まりがありますが、○○の場合、香りの好き嫌いや、特にアレルギーなどがあるという場合以外は、安心してお使い頂けます」
・・・あきれてものも言えません。
精油が猫の体にどういう風に作用し、どう有害かを考えれば、「直接塗らなければ安全」なんて事は、口が裂けてもいえません。
参考資料→
http://www.mew-mew.net/aroma.html
ましてやこの商品、使用法として、玄関などの出入りのある場所につるしてくださいと書いています。
人が頻繁に出入りしたらしたで、その成分はかなり広範囲に拡散するでしょうし、しなかったらしなかったでその成分は停滞してしまいます。
どちらにしても、猫の逃げ場が無ければ、空気中に飛散した有毒物質に猫は曝され続けるのです。
中毒症状を起こさなくても、肝臓に問題を抱えるのは目に見えています。
そこで、さらに突っ込みを入れてみたところ、今度は再度メーカーから詳しい説明をするので時間をくれと言ってきました。
で、一日たって返ってきた返事がこれ。
「メーカーによりますと、猫の体に中毒を起こすなど、精油成分に関しまして中毒性の化学的根拠はないのとのことですが、一般的にはシャンプー等直接皮膚につける場合に使用される精油の量などは、1%を超えるないようにと言われているということです」
あきれて口があんぐり開いちゃいました。
中毒性の化学的根拠はないんですって。
それじゃ、その中毒に関して警告を発している本やサイトの内容ってのはなんなんでしょうね?
ついでに言うと、「精油の含有量が1%を超えないように」というのは、人間がアロマテラピーとして使用する時の基本割合です。(通常精油の濃度は1%〜1.5%くらい)
つまり、あくまでも猫にとって安全な数値というわけではなく、
人間のアロマテラピーの基準値よりちょっとさげとこうか程度の認識でしかありません。
実は精油というのはとても強い作用を持つもので、ある特定の種類のもの意外、直接肌につけるのは人間でも禁じられています。
使用するときは、キャリアオイルに精油を混ぜて、希釈してから使うわけです。
その希釈された精油でも、人間には十二分に活用されます。
しかし、それはあくまでも含有されているテルペンを肝臓で解毒できる機能を持った人間や犬に対して「安全」なだけで、そもそもその解毒作用を持たない猫にはいくら希釈しようが
毒であることには変わりないんです。
しかし、この製品は「1%を上限とする」という業界の根拠のない暗黙の了解の元、シトロネラとユーカリ合わせて1%を超えていないので、安全だとメーカーは言っている訳です。
こんな説明、納得できます?
あまりにもお粗末で無知な製品開発、そしてそれを堂々と「安全です、ご安心ください」といってしまうずうずうしさ!
あきれてこれ以上突っ込む気力もなく終わりました。
そして、店の人間はこういいます。
「HIROYO様のねこちゃんに対する愛情とご配慮の深さ、このように、ご自分だけでなく他の方にとりましても大事な家族であるねこちゃんをご心配頂き、ご意見を頂きましたことに感謝致しております」
「大切なパートナーへの、飼い主様が良いもの、健康で長生きして欲しいという思いからのお声は、本当に嬉しく思っております」
どうですか、この言葉のむなしさ!
メーカーの発言を鵜呑みにして、本当にそれが「正しい情報なのか」も確認しようとせず、こぎれいな言葉を並べて終了させてしまう狡猾さ。
話の通じる人間だとは到底思えません。
これって、売りっぱなし、垂れ流しっぱなしとどこが違うんでしょう?
自分のところで扱う製品が本当に安全に使ってもらえるものなのか、を判断するのに、それを作ったメーカーの言葉を鵜呑みにしてどうするんでしょうね?
自分自身の判断基準を持たないで商売するなんて、なんて頭を使わずにすむ楽な仕事なんでしょ、と嫌味のひとつも言いたくなります。
これとは全然関係ない話ですけど、このコラムを読んでみてください。
これは人間の食の話ですが、日本人の場合購入商品全般にいえることだと思います。
「天然」がすべて安心だとは限らない(前編)
「天然」がすべて安心だとは限らない(後編)
犬に関しては、人間に安全=犬にも安全と考えてほぼ間違いありませんが、猫の場合はそうではありません。
彼らの体の構造は、人間のそれとも犬のそれとも異なります。
獣医療関係で、猫の疾患の方により多くのブラックホールが残っているのも、猫をきちんと診れる獣医が少ないのも、そのことが原因のひとつだとも言われています。
だから、この記事と同じで、
天然(自然物)が必ず安全だとは限らないんです。
店やメーカーがこういう体たらくである以上、猫の健康を守ってあげられるのはオーナー自身だという事が、今回の件でホントよくわかりました。
特に虫除けやダニ忌避剤など、小さな生き物を「殺す」物に関しては、購入する前に一度本当に安全か?その安全は
何にとって安全か?を考えてあげてください。
人間に安全=猫に安全ではありません。
また、「自然」とか「天然」とかいう単語にもだまされないでくださいね。
ちなみに、
米国環境保護庁によると、シトロネラ精油は
「猫よけ」として使えるんですって。それってどうよ?(苦笑)
ままるねこさんからいただいた情報なんですけど、読んで思わず大笑いしちゃいましたわ。(^^;;
こんなの玄関につるしてたら、匂いを嫌って猫が飛び出していっちゃうかもしれないですよ〜。いや、マジで。
それでもメーカーはまだ「安全だ」と言い張るんでしょうかね。
不思議な世の中だわ・・・。
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